「何…これ?」
「酢だ」

「お前のお酢嫌いをなおすためのスペシャルメニューだ」
「今日一日だけでこの酢を全部食べるんだ!!」
サラダにしてもそのまま飲んでもいいから





「そ…そんなっ!!!
無茶だよっ!!!」
ほんとにキライなのに
「食べなきゃおやつは無しで〜す」

「兄ちゃんもいぢわるだなぁ…」
「ボクが酢を食べられるワケないじゃないか…」

「う〜ん…」

「いいや…
食べたフリして捨てちゃお…」





「!!!?」





「お酢の精霊さん?」
カッコわる〜…
「違う」

「ほう…」

「それでオレが呼び出されたワケか…」

「ようするにお前の酢嫌いをなおせばいいんだろ?」
「…ちょっと
ムズかしいなァ…
好き嫌いをねぇ…
「ねぇ…そのジャカジゃか言ってるの何?」
「ねぇねぇ」





「とりあえず…」
「お前がどれ程酢が嫌いなのか試させてもらう」

「わかめのゴマ酢あえ
オーソドックスな家庭料理だ
さぁ 喰ろうてみろ」

!?
においですでにNG!?

「よっしゃ走れ!!!」
「腹が減ればなんでもうまい!!!」





「ほ、ほらっ・・・
腹が減っただろ」
「さぁ 空腹は最大の美味っ!!!
これで酢を…」

ゲプッ
リンゴの木だったんか…

「え〜いっ!!!
次の方法だっ!!!」





「書け!!」
「書いて思い込むんだっ!!」

「『酢 美味しい』
と」

「終わたーっ!!!」
「No―――――!!!!」





「砂糖で中和ーっ!!!!」

オエ…ッ

「直接っ!!!」
「いやぁぁ!!!」





「まったく…
お前は全然治らないな…」
「へへ…」
「無駄にへとへとになるだけだ…」

「でも…
なんだか楽しい」

「・・・見ろ」





「ここは
昔の大災害でクレーターが出来て
いくつもの湖になっている」
「何千年も前の話だがな…」

「…オレはやった…」

「『国が欲しい』というそいつに
オレは国をくれてやった…」
「星を降らせて戦った
いくつもの村を吹き飛ばし
いくつもの命を奪って…」





「…すまない
お前の願いは叶えられなかった」
「今日は…楽しかったな」

「また…
お前に呼び出されたい」





「・・・今日・・・」





「今日一日…」
「一日だけ…」





「また買ってきたのか…
これで14本目だぞ…」

「あのなぁ
あのビンは偶然見つけたもので」
「もう二度と手にすることはできないんだ…」

「偶然が二度あったら
それは『奇跡』だよ」

「わかってる…」
「ボクだって簡単なんて思ってないよ…」





「でも…
奇跡はキライじゃないよ」

「もう一度会えるまで
ぼくはお酢を食べるよ」
「・・・。」

ちょっと変な形だけど…

オレの願いは叶ったみたいだ

次はピーマン
いやぁああぁぁあぁ



〜Fin〜


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